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1200年もの歴史をもつ古都フェズは、モロッコの思想・宗教・芸術の中心地で、9世紀にできたフェズ・エル・バリ(旧市街)と13世紀にできたフェズ・ジャディド(新市街)のふたつの部分にわかれている。旧市街のメディナは世界一複雑な迷路と言われ、ユネスコの世界遺産にも指定されている。
フェズ・エル・バリ 旧市街は新市街よりも面積が広く、周囲は11世紀に作られた塁壁で囲まれている。ブー・ジュルード門をくぐると、野菜、果物、羊肉、香料、日用雑貨などを売る活気のある店が並び、あふれんばかりの人でごったがえしている。 ブー・イナニア・メデルサ ブー・ジュルード門の東100メートルほどのところにある元神学校で現在は礼拝堂。14世紀、マリーン朝時代に建てられたムーア建築様式の代表的な建築物のひとつ。ブロンズ製の扉から中に入ると、大理石を敷き詰めた中庭に出る。中央には生徒が授業の前に身を清めるために使用した水盤がある。建物の側面の壁はタイルのモザイクと漆喰やヒマラヤ杉に彫られた幾何学模様で飾られ、上部はヒマラヤ杉に細かな彫刻を施したひさしが迫り出している。彫刻の繊細と華麗さは息をのむほどである。2階から屋根越しにメディナの街並みが見え、ケラア・ケビーラ通りに面した学校の門の反対側にはり出た木にはブロンズの「イナニアの鐘」がついている。 ネジャリン広場 モザイクの上に漆喰と木に細かい彫刻を施した泉があり、その奥には18世紀に建造されたホテル、フォンドゥク・ネジャリンがある。ネジャリン広場一帯は、ネジャリン・スークと呼ばれ、建具や家具職人が多く、細かな彫刻を施された家具が店先に並んでいる。 ムーレイ・イドリス廟 フェズの創始者ムーレイ・イドリス2世をまつった修道院。ムーレイ・イドリス2世はフェズの守護聖者として崇拝されており、聖者をたたえる祭(ムッセム)が年1回盛大に繰り広げられる。聖堂は18世紀に再建され、その後改修が加えられている。ドアごしに中をのぞくことができる。 アッタリーン・スーク メデルサ・ブ−・イナニアの近くにある香料のスーク。このあたりはメディナの中でも特ににぎやかな一画。近くにはイドリス2世を記念するムザラの碑や壮麗な塔をもつシェラブリン・モスクなどがある。 カラウィーン・モスク 859年に、カイラワーンから亡命した富豪の娘ファーティマ・フェヘリーヤによって建てられたモスク。後にはコーランの大学としてアラブ諸国から多数の留学生がやってくるようになった。世界最古の大学と言われ、言語学、イスラム法学研究を中心に、長いあいだ文化・思想・文明の源であり続けた。大きな扉からすばらしい中庭をのぞき見ることができる。 タンネリー(なめし皮染色所) フェズ川近くのなめし皮職人が集まる一帯でタンネリー地区と呼ばれる。半ズボンに上半身裸の職人が中世そのままに、牛や羊の皮を水洗いしたり、赤・青・黄・緑などの染料瓶に皮を漬けて染める様子が見られる。染め上がった皮はまわりの壁に万国旗のように張り付けて乾かす風景は、フェズの風物詩としてあまりにも有名。 テンテュリエー・スーク セファリン・メデルサからフェズ川に向かって下りたところにある染物市場。カラフルな糸が吊され、染め上がった糸をロバが運んでいく。 アンダルシア・モスク フェズ川の東側のアンダルシア地区にあるモスク。9世紀にコルドバからやってきたアンダルシアの人々のために建てられたもので、13世紀のアルモハッド朝時代に拡張され、装飾が加えられた。北側の「不朽の門」は堂々とした彫刻が素晴しく、アルモハッド朝建築の最高傑作のひとつと言われている。 |